開かれた精神分析
ラカン派以外の精神分析協会においては,いわゆる個人分析と教育分析は峻別されています.個人分析 (personal analysis) は,一般の患者が治療目的で受ける精神分析であり,他方,教育分析 (didactic analysis, training analysis) は,精神科医や clinical psychologist たちのうちから知的・心理学的・道徳的諸基準により厳選された者が職業的分析家に成ることを目的として受ける精神分析である,と規定されます.
しかし,そのような区別は単に形式的なものにすぎません.ラカン派では,精神分析の本質の観点から,そのような区別をしません.
というのも,本当の精神分析において,その最終的な効果として起こることはただひとつだからです.それは,Heidegger が「自有」(Ereignis) と呼ぶところのものです.
分析開始前の症状における異状 (aliénation) から,分析の終わりに発起する自有 (Ereignis) へ.この転回が,本当の精神分析において起こることです.
そのように明確に見通しづけられたラカン派の精神分析の実践は,日本ではいまだに広まっていません.そのため,精神医学的薬物療法や心理学的カウンセリングによってではなく,精神分析によって初めて異状から回復し得る人々が,なおも,欝,自責,自傷などの存在論的「いごこち悪さ」のなかにとどまらざるを得ない状況が日本では続いています.
また,みづから精神分析家になりたいと思っている人々の多くにとっても,既存の精神分析協会の形式的な選別基準のせいで,途は閉ざされたままになっています.
東京ラカン塾では,原則的にあらゆる人に対してラカン派精神分析の扉が開かれています.
精神分析の目標は,自有に成ることです.そして,あなたが精神分析の経験をとおして自有になったなら,あなたは存在論的・倫理学的意味で精神分析家です.
ただし,改めて注を付しておくなら,それは,職業的に精神分析の臨床を行う者という意味での精神分析家となることとは別のことです.精神分析を経験した後,みづから精神分析家の職業を営むか否かは,二次的問題です.
精神分析を経験するために
みづから精神分析を経験してみようと思うかたは,東京ラカン塾へ御連絡ください:
東京ラカン塾 面接室
電話: 090-1650-2207
e-mail :info@lacantokyo.org
所在地: 東京都 文京区内.最寄り駅は都営三田線白山駅です.
面接室の正確な所在地は,面接の予約の際にお伝えします.
お問い合わせや面接予約のためには,上記の電話ないし e-mail へ直接御連絡くださるか, または,下記のメッセージ送信書式を御利用ください.send を click すると info@lacantokyo.org へ送信されます.こちらから御返事できるよう,あなたの e-mail address を忘れずに御記入ください.